週刊「儲け創り」通信

〜創刊95号 2005年6月19日〜

発信人 株式会社 船井総合研究所 第六経営支援部 

チーフ 経営コンサルタント(儲け創り人)望月 隆之

この週刊「儲け創り」通信は、船井総合研究所の望月隆之が、経営者、ならびに経営幹部の皆様に、【高い顧客価値&満足(の創造)⇒高い粗利益(の創造)⇒高い社員価値&満足(の創造)】⇒高い企業価値&満足(の創造)⇒高い投資家価値&満足(の創造)という「善循環」をまわし続けるためのヒント・コツ・秘訣・勘所・ポイント・要点・本質をお伝えしていくものです。

 

  

 


今週の「儲け創り」のヒント

 

(生活者の)ライフスタイルの変化の中に、

未来のヒット商品の芽があります。」

商品開発&仕入担当者の仕事は、

その芽を感じ取り、具体的な形にすることです。

 

ビジネスの基本は、「@誰に、A何を、Bどのように」

一番大切なのは、「@誰に」

「T(時間)P(場所)O(場合)」を明確にした「@誰に」の明確化

 

生活者相手のビジネスにおいては、小売業、卸売業、製造業、また、飲食業、サービス業のいずれの立場であっても、顧客である生活者のライフスタイルの変化の中に、未来のヒット商品の芽があります。この変化は、現在、ヒット商品を持っている企業にとってはピンチであり、現在、ヒット商品を持っていない企業にとってはチャンスということです。

 現在、あらゆる商品&サービス=ビジネスは、「お金を払うヒト(=顧客)の求める「混沌(=ニーズ)」を、具体化できた時にヒットしています。この「混沌(=ニーズ)」を、具体化するプロセスを「仮説」の構築と呼びます。この業務プロセスは、1970年代後半までの日本においては、全く必要としなかった、もしくは、ほとんど必要としなかった業務プロセスでした。物理的に満たされていない時代でしたから、顧客ニーズは、明確だったからです。「おなかが空いている→食べ物が欲しい。腹いっぱい食べたい。」つまり、誰にでも、すぐに、わかったからです。商品&サービスのコンセプトなど真剣に考えるまでもなく、ヒット商品を創ることが出来たからです。しかし、1980年代に入ってから、「商品(モノ)余り」の時代が本格化するにつれ、次第に、顧客ニーズは、「ココロ満足」を求めるようになり、明確ではない「混沌」となりました。ですから、時代的には、そのあたりから、「混沌」の顧客ニーズから、具体的な商品&サービス創りに至る具体的な仮説の構築を必要とするようになってきたのです。

 ライフスタイルの変化の兆しから、ヒット商品の芽を感じ取りましょう。その身近な事例としては、例えば、デスクトップ用のモニターでは、富士通さんの32型ワイド液晶が、2005年今夏のボーナス商戦の売れ筋となるようです。ビジネスとしては、むしろ使いにくいと思いますが、「家庭用パソコン」の使われ方(インターネットからの情報収集、電子メール中心)も、そろそろ固まりつつある今、この形が定着しそうです。そうなると、今冬のデスクトップの周辺機器などにおいては、大きな変化が巻き起こりそうですね。従来サイズのパソコンデスクは、ますます、売れなくなるでしょうし、その逆に、新しいサイズ&デザインの商品を、今冬に間に合わせて発売することが出来れば、大ヒット間違いないでしょう。

 大切なのは、このような小さな変化を感じ取り、商品として具体化させることが出来る意識と知識があるかどうかでしょう。生活者相手のビジネスに従事しているものにとっては、マンネリに陥るヒマなどあるわけがなく、次々と新しいライフスタイルの変化がやってきます。その変化に一生懸命ついていくことが我々のビジネスにおいて、最も大切なことなのです。鈴木敏文会長の思いとは裏腹に、同業他社の「単なるサルマネバイイング」ばかりをしてきたイ○―ヨー○ドーの「単なるサルマネバイヤー」には、到底、考えもつかないことなのでしょうが・・・再建途上のダ○エーのバイヤーのように、メーカーから金を巻き上げる事しか考えていない「恐喝バイイング」の「論外バイヤー」もいますが・・・粗利益率を50%以上確保したければ、「単なるサルマネバイイング」ではなく、もちろん、「恐喝バイイング」でもなく、「しっかりとした検証&仮説バイイング」が出来るようにならなくてはなりません。メーカーの販売代理ではなく、コンシューマーの購買代理として、自らの頭でしっかりと汗をかいて考えた結果が、粗利益率50%というご褒美なのですから。それをしないで、結果としての50%ばかりを求めるというのは、いかがなものでしょうか?「棚ボタバイイング」とでも呼びましょうか?「@誰にA何をBどのように」と言うビジネスの基本において、まずは、「@誰に」の変化、つまり、生活者のライフスタイルの変化に敏感になることがポイントです。その変化の後に求められる商品(モノ)は、何?どんな機能?どんなデザイン?と考えていくプロセスが大切なのです。いきなり同業他社の売れ筋を真似ることから入る「単なるサルマネバイヤー」には思いもつかないことでしょうが・・・それをやっている限りは、完全買取のオリジナル商品を創れるわけもなく、粗利益率において50%を超えることなど出来ないでしょう。信頼に値する「商品を見極める力」を育成し、獲得できるように、毎日、24時間、ココロのスイッチオン状態で、努力を重ねていきましょう。まずは、「@誰に」です!そのヒトの「T(時間)P(場所)O(場合)」を明確にするところからです。



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